子どもの考える力を引き出す声かけ
小さな子どもは、年齢とともに言葉の使い方が変わっていきます。2歳頃までは、見たことや感じたことを言葉にすることが中心ですが、3歳頃になると、相手とのやりとりの中で質問したり、自分なりに考えたりする姿が増えてきます。
子「ママ、これ何?」
母「おはぎだよ。あんこの甘いお菓子」
子「おいしい?」
母「おいしいよ。少しずつ食べてみようか」
子「食べたい」
母「手を洗って、お皿にのせて食べようね」
子「うん!お皿取ってくるね」
短いやりとりの中にも、子どもが聞き、考え、言葉にしようとしている様子が見えてきます。実際に口にする言葉は少なくても、頭の中ではたくさん考えているのです。
大切なのは、子どもが自分で考えるきっかけをつくることです。そのために役立つのが「問いかけ型の言葉」です。たとえば、子どもが「目玉焼きを作ってみたい」と言ったとき、すぐに止めるのではなく、「どうして作ってみたいの?」「どうやって作ると思う?」と聞いてみます。すると子どもは、自分の思いや考えを言葉にしようとします。
家庭では、忙しい時ほど「早くして」「こうしなさい」と言いたくなることがあります。そんな時にも、少しだけ言葉を変えて、「次は何をするんだっけ?」「どこに片付けるといいかな?」「どうしたら自分でできそう?」と問いかけてみましょう。大人が先に答えを出しすぎないことで、子どもは自分で考え、選び、行動する経験を重ねていきます。
また、子どもの言葉がうまく出てこない時には、「こう言いたかったのかな?」と気持ちを言葉にして返したり、「うん、そう思ったんだね」と受け止めたりすることも大切です。否定や命令の言葉を少し減らし、子どもが考える時間を待つことで、会話は安心して自分を表現する場になります。
もちろん、安全に関わる場面では大人が止めることも必要です。そのうえで、できる範囲で「どうしたい?」「どう思う?」と問いかけることで、子どもは考える力と伝える力を少しずつ育てていきます。
モンテッソーリ教育では、子どもには自分で育つ力があると考えます。大人の役割は、すぐに答えを教えることではなく、子どもが自分で考え、選び、行動できるように見守り、環境を整えることです。毎日の何気ない会話の中で、子どもの言葉を待ち、気持ちを受け止め、必要な問いかけを添えることは、子どもの自立へ向かう力を育てる、モンテッソーリ教育の大切な関わりです。
モンテッソーリ教育スーパーバイザー/モンテッソーリ発達支援士
フロンティアキッズ加賀町 窪谷 麻理
