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「数学的頭脳・論理的思考の育成」

2020年11月

 みなさまは、算数と数学の違いをご存じでしょうか。算数とは、生きていく上で必要な算術を手に入れる科目で、数学とは専門的な知識を手に入れるための科目です。生活をする中ではあまり活用する場面はないかも知れませんが、それによって人は論理的思考を養うことができます。

 マリア・モンテッソーリは「人間の知性は本来、精密さ、緻密さ、正確さを好む」と言っています。数学的頭脳とは、算数が良く出来る頭脳ということではなく、物事を勘や経験にだけ頼って解決するのではなく、精密に、緻密に、正確に観察し、さらにそれらを比較、分類、段階づけ、分析、統合等をしながら、解決していく能力であり、論理的に整理し考えていく、予測していくという思考活動を助けます。

 論理的思考とは決して難しいものではなく、我々は身近に活用しています。例えばお料理をする時に、「野菜を切って鍋で炒める」という工程を、「ニンジンを切って、炒める、ピーマンを切って、炒める…」などと行わず、まず切れるものは切っておき、メニューにもよりますが、硬くて火が通りにくいものや、半生では困るものから炒め始め、なんなら同時進行で他のコンロで煮物をしたり、電子レンジで何かを温めたりします。論理的思考とは、日々生活をしていく中で、行き当たりばったりで二度手間、三度手間、四度手間…にはならないようにする思考とも言えます。

 しかし、数学的頭脳や論理的思考は、教えることによって発達しません。それは、子ども自身が長い時間をかけて築き上げていくことによって身につけることのできる能力です。数学を学ぶ意義を100%とした場合、数式を覚える意義は5%と言われます。なぜなら、いずれは忘れてしまうからです。しかし、論理的思考を育てる意義は95%であり、その理由は一生消えることはないからです。

 モンテッソーリ教育の“数”に関わる多くの教具の目的の中には、“数学的頭脳の育成”が含まれています。量と数の対応や一致、具体物から始まり少しずつ抽象化させていくスモールステップ等、子ども達は感覚的に少しずつ数学的頭脳を育成させていきます。

 数学的頭脳は、数の世界にだけ通用するのではなく、自分のまわりで起こる様々なことに対して論理的に把握し、分析し、解決する大切な思考活動です。それは、子どもに対してだけではなく、我々大人も自分自身に「論理的に活動出来ているか」、「誠実に子どもと向き合えているか」等を問いかけ、子どもと一緒に数学的頭脳を育んでいけたら素晴らしいですね!

FrontierKids Global School

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