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「ネットリテラシー」

2019年 12月
 
 先日、大阪の小学生の女児がSNSで出会った男性に遠く離れた栃木まで連れていかれた事件。最近は同じような事件が多く見られます。
 スマートフォンが普及し始めて10年強経ちましたが、その間にオンラインゲーム含むSNSは目まぐるしく進化してきました。
 被害者の保護者の方は「知らない人についていかないようにとは教えていたが…」とおっしゃられていました。私も子どもたちと接している中で「知らない人」の定義を子どもに伝えることの難しさを感じます。

 私たち大人にとってはたとえ毎日会釈をする人でも素性を知らなければ「知らない人」ですが、子どもはそうではありません。また大人は経験値があるので「優しそうだけど怖い人」がいることを、悲しいかな知っていますが、子どもは額面通りに受け取ります。
 SNSでの被害はまさにここにつけこまれたものだと思います。同じ趣味で話の合う「楽しい人」、悩みを打ち明けたら親身に聞いてくれた「優しい人」…子どもたちにとっては「知らない人」と判断されないどころか、顔を知らなくても仲間や友達だと錯覚してしまい、より危機感が乏しくなる傾向があります。昔はネットがなく、そういう怪しい人は直接声をかけて来たりしたので、親が見ていなくても誰かが見ている可能性があり、大人も注意がしやすかったのですが、今は違います。大人のまったく知らないところで子どもの隙に付け込む人がいるということです。

 それならスマホを持たせない?という議論にもなりますが、昨年の内閣府の調査によるとスマホの所有率は小学生で40.9%、中学生で65.8%、高校生になると94.3%にのぼります。友達同士の関係にもスマホが不可欠になっている現代において、まったく持たせないのも難しいのではないのでしょうか。

 生まれたときからスマホもSNSもあり、すでに動画を見たりすることに慣れ親しんでいる子どもたちが自分のスマホを手にする頃、SNS含め子どもを取り巻くネット環境はさらに変化していて、柔軟な子どもたちはどんどん吸収していきます。そこに危機感を持ち、勉強していかなければならないのは我々大人のほうだと、日々子どもたちとのやり取りの中で痛感します。
 インターネットが無いことは考えられないこの世の中、ただ禁止するだけでは子どもたちは隠れてなんとかしようとします。隠れてやったことで危険な目に遭ったとき、言い出しにくくなってしまうかもしれません。
 
 そうではなく、ネットで何がしたいのか、どんな危険があるのかなど、子どもたちと一緒に考えて、大人も子どももネットリテラシーを強化していかなければならないと、改めて強く感じた事件でした。
 
フロンティアキッズ上馬 施設長
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