今回は、当園の大きな柱であるグローバル教育について、今後の日本社会に焦点を当てて考えてみたいと思います。近年、日本社会は見る見る内にグローバル社会の色合いを強めてきました。都心部の繁華街では日本人の方が少ない場面もあるほどに海外の方が増え、テレビやインターネットを開けば、世界規模のニュースやエンタメ、SNS配信が飛び交っています。英語や国際交流が外国に興味のある一部の人の趣味やライフスタイルだった時代ではなくなり、それらは通常の社会生活一部として日常にある時代になりました。このような中で多様な価値観を受け入れ、多様性を尊重するというが大切だということはこれまでもよく言われてきました。
一方で、グローバル化が進むと、世界のどこでも似たような商品やサービスが手に入り、ライフスタイルも共通化していく流れがあります。その影響の中で、地域ごとの文化や歴史、言葉やアイデンティティ自体がないがしろになってしまう懸念もあります。このような時代に子どもたちにとって大切になるのが、揺るがないアイデンティティや、自分なりの軸を持ちながらグローバル社会を生き抜く力です。
モンテッソーリ教育が大切にする「個の確立」という理念は、自分の好きなこと・得意なことだけを見つけるという意味ではなく、「自分は何を大切に感じる人間なのか」「自分はどのように周りに関わっていきたいのか」を、少しずつ形づくっていくことを大切にすることです。幼児期に、自分で選んで試し、失敗しながら工夫していく経験は、自分で考え、自分の足で立つための、小さな練習の連なりでもあります。
同時に、日本で育つ子どもたちにとっては、「日本人としての自分」をどう感じるかも、これからの大きなテーマになります。世界の地理や文化に触れながら、世界の大きさや魅力を知り、その上で自分のルーツや背景にある物語を知ることで、「自分はここから世界とつながっているんだ」と感じられることが、グローバル社会の中で自分らしく立つための大事な基盤になっていくと思います。
当園のグローバル教育は、英語を学ぶことや異文化に触れる機会にとどまらず、「自分をよく知り、相手を理解し、違いのある世界の中でどう生きていくか」を、幼児期に適したやり方で少しずつ経験していく場でありたいと考えています。これからますます変化の大きな社会の一員となっていく子どもたちが、自分のアイデンティティを大切にしながら、グローバルな社会をしなやかに生き抜いていけるよう、ご家庭と一緒にその土台を育てていければ幸いです。
フロンティアキッズ グローバルスクール
施設長 眞島 拓也