言葉を伝えるタイミング

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言葉を伝えるタイミング

 子どもたちの心は大人が想像するよりもずっと繊細で、大人からの言葉や態度にも敏感です。

 

 『感情に寄り添う支援の技術: 感情の「移動」を支えるまなざしと構造』の著者、植草葉月さんは脳には2種類のモードがあると言います。一つは前頭前野モードで、冷静な判断、抑制、見通し、言語化、分析など、いわゆる人間的な状態を表しており、通常私たちはこちらのモードを駆使しながら生活をしています。

 

 2種類のうちのもう一つは、扁桃体モードと言われ、恐怖、不安、怒りが生じると扁桃体を中心とした情動反応が高まり、上記の前頭前野モードの機能が一時的に出にくくなる状態になります。想像してみてください。たとえば、乳母車に子どもを乗せて押しながら歩いている時に顔を上げたら赤信号の横断歩道の真ん中だった場合や、電車に乗っていたら突然後ろから凄い形相の人に肩を叩かれた場合など。おそらく、悲鳴を出したり、冷静に分析したりする前にとっさ逃げたり固まったりしてしまうのではないでしょうか。

 

 扁桃体モードの状態では、人は「フリーズする」「戦う」「逃げる」しかできなくなってしまうのです。それは、危険を感じると、考えるよりも身を守ることを優先するように脳が進化したためだと言われています。

 

 さて、ここで子どもたちに目を向けてみてください。目の前に大人に怒られている子どもがいます。子ども自身よりも大きい大人が言葉をまくしたてるように浴びせ、「わかった!?返事は!?」と聞き、子どもは「うん」と答えました。しかし、子どもはこの時本当に理解できているでしょうか。もしかしたら、もっと怒られないために分かったふりをして空返事をしているかも知れません。実は本当はそこまで分かっておらず、同じ間違いや失敗をしてしまって「何度言ったら分かるの!」と負の連鎖に陥ってしまうかも知れません。


 モンテッソーリ教育で大切なのは「教えながら教える」ということです。子どもの言葉や行動を否定したり、一方的に伝えたりするだけではなく、ゆっくりやって見せたり、できるようになるまでじっくり見守ったりする姿勢を持つことを言います。たとえば、もし走ってはいけないところで走っていれば「走らない!」と否定の言葉を投げるよりは「歩くよ!」と伝えたり、「見ていてね」と伝えて歩く姿を見せて「あなたもやってみる?」と真似してもらったりすることで、無理なく子どもたちの行動を修正することができます。もしよろしければご家庭でも取り入れてみてはいかがでしょうか?子育ての一助になれたら幸いです。

 

フロンティアキッズ曙橋

主任 浅野公介