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「安心感の輪」

2023年3月

 今年度もとうとう1か月を残すのみとなりました。もう少ししたら、街のあちこちから桜の便りも聞かれることでしょう。その頃には年長さんはピッカピカの1年生‼!在園の子は1つ上のクラスに進級です。楽しみもありますが、お別れの季節だと思うと寂しさが勝ります。

 さて、この一年引き続きのコロナ禍ではありましたが、園生活が楽しくなるようにと私達職員も頑張ってきたつもりではありますが、いかがでしたでしょうか。保護者の方々からは行事や日常の保育に対して「良かった」とお褒めのお言葉を頂きまして、とてもありがたく、また嬉しかったです。

 ところで今、「乳幼児期」の重要性が見直されつつあり、高度な学校教育も確かな「土台」の上に積み上げられてこそ益をなすということで、乳幼児期に心を育てることが大事だと言われています。「非認知」の支えがあってこそ確実に「認知」「学力」も伸びていく。そしてその「非認知」の中核は自己と社会性であって、「自己信頼」「他者信頼」がそれにあたります。「自己信頼」は、自分を大切にし、自己コントロールしそれを高めようとする力。「他者信頼」は社会性に関わる心の性質で、集団の中で人との関係作りを維持していくための力。それらの力に関係してくるのが「アタッチメント」すなわち「愛情」です。「アタッチメント」と言っても単なる皮膚の触れ合い(抱っこすること)とは違います。離れたところから微笑んで見守ることで、自分は人に愛されているという信頼感が生まれ、見通しが持てます。自分は見守られているという思いは、一人でいられる力(自立性)がついていきます。幼少期にくっついていることをちゃんと経験した子は一人でも進んでいけるようです。

 「安心感の輪」という理論があり、それは、大人の両手の中(安心の基地)から出ていく時、子どもは“見守っていてね”“手伝ってね”“大好きって見ていてね”というメッセージを発信していきます。その時に“大丈夫だよ”“見ててあげるよ”と遠くで見守る大人がいて、子どもが不安になって戻ってきた時に「おかえり」と手を差し伸べ受け止めてあげる(安全な避難所)としての大人がいる。その避難所で羽を休め再び出ていく。途中でくじけそうになったら避難所に戻る、という、この「安心感の輪」がグルグル回っていることがとても重要だということです。

 そして、子どもが一人でやっていることに大人は踏み込むことを極力せず、黒子として支えてあげる。離れたところから「応援団」として温かく見守り時折エールを送る。などが大人の役割として大切なことのようです。

 私達職員もこの大人の役割をきちんととらえ「安心感の輪」作りを保育の中で行なっていきたいと思います。


フロンティアキッズ上町 施設長  田原彰子

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