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「クリスマスだから かんがえる」

2020年 12月

 「クリスマスだから かんがえる  たくさん たくさん たくさん かなしんでいる ひとのこと  それから すこうし かんがえる  どうして どうして どうして かなしいことが あるのかな  クリスマスだから かんがえる  かなしんでいる ひとのこと」

 童謡「サッちゃん」などで知られる 阪田寛夫さんの詩です。多くの人にとって、クリスマスはパーティをしたり、ご馳走を食べたり、プレゼントをあげたりもらったり…とても楽しいイベントだと思います。しかし豊かな暮らしの裏側では、辛い境遇で生きている多くの人々や動物たちがいることを意識するべき時でもあると思います。

 THE WATER PRINCESS(みずをくむプリンセス)という絵本をご存知でしょうか?西アフリカ、ブルキナファソ出身のスーパーモデル ジョージィ・バディエルさんの実話に基づいたお話です。水がない生活を想像したことがありますか?キッチンには蛇口すらない。お風呂はもちろん、シャワーもない。毎日水を汲みに行くために、学校にも行くことができない、そんな生活を考えたことがありますか?今でも世界中で10億人ほどの人が、水のない場所で暮らしています。WATER PRINCESS は、綺麗な水が世界中の人に届くことを願って描かれた絵本です。園には、日本語訳と英語版の両方あります。職員も子ども達も皆で生活の中のひとつひとつを意識し、貴重な資源を大切に出来る心を養い、普通に生活できることがどんなに幸せなことかを感じて欲しいと思いました。

 12/15(火)は、Pioneer, Frontierで、JICA見学に行きます。JICA (Japan International Cooperation Agency 国際協力機構)は主に発展途上国の国際協力、深刻化する地球環境問題等への貢献事業を展開しています。地球規模で物事を考えれば、何か辛い嫌なことがあったとしても、「世界ではもっと厳しい境遇にいる人達がたくさんいるんだ、こんなことでくよくよなんてしてられない!」と前向きに生きて行けるようになるのではないかと思います。そして、弱い立場の身になって助けてあげられる人になって欲しいと願います。

 長年に渡り人間による地球環境破壊が深刻化してしまった今、それを救うのもやはり人間、1番パワーがある若者達、今の子ども達だと思います。クリスマスは消費の多い時期です。この消費が実は見えないところで環境破壊への影響を及ぼしているかもしれません。例えば、安いパーム油を使っている商品は、ジャングルを破壊しそこに住む野生動物の住処を奪っています。また、プラスティック包装や製品等のゴミが海洋環境破壊の原因になっています。実はプラスティック包装は、紙の原料の為に伐採される森林を保護する目的で発明されたのですが、今日では自然破壊の要因になってしまったのです。

 豊かな生活に慣れてしまった今、消費を止めることはとても難しいと思いますが、目の前にある物がどのようにして作られたのか、捨てる前にリサイクルできるかもしれないと意識することで、地球環境保護へ貢献できるアクションに変えられるのではないでしょうか?クリスマスだからこそ、子ども達と一緒に考えてみたい問題ではないかと思います。

FrontierKids Global School 竹下 克子

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