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「子どもと絵本」

2020年11月

 絵本が大好きなのは嬉しいけど、毎日毎日同じ絵本ばっかり読んでと持ってくる…小さい子どもによくある光景です。もっと違う絵本も読んでほしいのに…正直ちょっと飽きてきた…年齢にしては幼いんじゃないか…などなど、悩むことも多いと思います。

 しかし、できれば気が済むまで、同じ絵本を読んであげてほしいものです。子どもは絵本を読んでもらいながら、頭の中でイメージを膨らませます。テレビや動画は動いている映像がそのまま入ってきますが、絵本はそうではありません。ヒントになる絵から、自分の頭の中でイメージを映像化して動かさなければなりません。

 だからこそ何度も何度も聞いて、イメージを膨らませ、映像化していきます。そして、何度も聞いて子どもの中でお話を完全にイメージできたとき、自然と次の絵本に手が伸びていきます。また、大人でも興味のある事は何度も繰り返し、その度に新しい発見をし、より興味深くなるなんて事があると思います。それは子どもにとっても同じで、経験が積み重なってくるなかで、同じ絵本でも今まで見えなかった事が見えてくることもあります。

 電車の写真絵本を繰り返し読んでいた子どもが、ある時「わんちゃんも乗りたいんだねぇ」と言ったことがありました。え?と思って見てみると、挿絵のわんちゃんがどのページでも電車を追いかけるように描かれていました。恥ずかしながら、私はまったく気づきませんでしたので、子どもの発見に大いに驚いたことがあります。同じ絵本を繰り返し読む中でも、子どもの視点はどんどん変化していますので、ぜひ大人も一緒に楽しんであげたいですね。

フロンティアキッズ 上馬 施設長

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