The Montessori method - お仕事の紹介 Vol.3 ~言語教育 Language Area~

The Montessori method - お仕事の紹介 Vol.3 ~言語教育 Language Area~

カテゴリ:Frontier Global School

The Montessori method - お仕事の紹介 Vol.3 ~言語教育 Language Area~です。

今回は、言語教育についてご紹介致します。

社会で生きて行くためには、言語の習得は必要不可欠で、社会生活の基礎であり、人間と他の種との違いは言語を使うことです。そして、言語こそが、人間を集団に、組織にまとめることができ、同じ言語の大きな集団で生きるのが人間の特徴とも言えるでしょう。

人間は、人間に育てられることで言葉を扱う人間になれます。他の動物のように本能で喋るようになるわけではありません。例えば、動物は日本で生まれようが欧米で生まれようが、どこで生まれても同じ種であれば、ほぼ同じ鳴き声をしますが、人間は違います。誕生した国、土地、常に耳に入ってくる言語を発するようになります。

動物の鳴き声は本能と言えますが、人間の言語は本能ではありません。誕生した環境で、そこで生きて成長していく過程で、そこで使われている言語を習得することが、生きて行く上で必要であるから母国語として身に着け、身体の一部となるのです。

もしそこの成長過程で、言語が使われていなければ、言語を使ったコミュニケーションは取れません。生きて行く上で、生まれ育つ環境に言語が必要と感じられなければ、人間として生まれたとしても、言語を身に着けることはできないのです。そして、大人になった時に、言語でコミュニケーションを取ることは難しくなります。

子どもは胎児の時から、母親の体内で、母の声、周囲の人間の声を聞いています。そして、生まれてからもずっと母の声を始めとして、言葉を話す人々の中で生き、常に聞いて言語を吸収しています。

ちょうどこの時期は0~3 歳で、無意識的吸収の時です。自分を取り巻く環境の中の全ての物を無意識に自分の中に取り込み、吸収して、記憶素(mneme ムネメ)に蓄積していきます。この無意識的吸収の時期に聞いた言語が、母語となり、これは一生獲得され、変えることはできません。

生まれてから、3ヵ月頃までを「聴覚期」と言い、人間の声を聞いて育つことで、2ヵ月頃から、声のする方へ顔を向けるようになります。

4ヵ月頃は、「視覚期」と言い、話し手の口元をじっと眺めるようになります。

6ヵ月頃から、「運動期」になり、音節が現れ、同じ音節を繰り返し発するようになります。

7ヵ月過ぎから、喃語が始まります。

10 ヵ月頃から、言葉に意味があることを意識し始めます。

1歳頃から、意図的な言葉を初めて発するようになります。

1歳3ヵ月頃になると、言語で表現された意味がわかるようになってきます。

1歳半頃になると、物には全てそれ特有の名前があるということに気が付きます。この頃になると、自分の言いたいことを、不完全な単語、擬声語で表したり、聞こえた音を発して伝えようとしたりします。

2歳近くになると、急激に単語を覚え、爆発的な言語の発達現象が起きます。言語の「爆発期」です。爆発期は2回現れます。最初は、単語の爆発で、2回目は思考、文の爆発です。

2歳半になると、思考、文の爆発が始まり、驚異的速度で文法、構文を身に着け、ほぼ基本的な言語が完成します。この言語の爆発に達するためには、準備が必要であり、子どもを取り巻く環境、大人の関わりが重要です。環境や大人の関わりに障害が生じると、言語のみならず、全ての発達に影響を及ぼします。

この言語の爆発が起きると、言語の敏感期が始まります。同時に、運動の敏感期でもあるため、子どもは字を書きたくてたまらないのです。そのため、モンテッソーリ教育の言語活動では、「書く」ということが読むより先に行われます。なぜなら、文字をただ音にして、読むことが「読む」ことにはならないからです。読むとは、文字の助けによって、思想の解釈をすることです。

書くことは、精神的運動のメカニズムが優勢され、言葉の調節と完成に役立ちます。読むことは理解力が主で、思想の助けとなり、総合的な言葉の発達に結び付きます。書くことは”身体的言葉”を、読むことは”社会的言葉”を成り立たせます。書くことは、読み方の準備をします。よく書けるようになった子は、読んで、内容を理解することが速く、容易く出来るようになるのです。

日常生活の活動や感覚教具を使った活動を通して、手をたくさん使っている子どもは、指先が洗練され、器用に使えるようになっているので、「書く」準備ができています。指先や腕、目を使った微細運動の能力が本当に備わってくるのは、およそ2歳から5歳です。この時期の子どもは、手を使いたくてしかたがなく、使えば使うほど身体の機能が成熟し、自分の思う通りに使えるようになるので、それに伴って、知的な活動も楽しくなります。

しかし、その時期を過ぎると、こうした欲求は薄れ、興味を示さなくなります。

子どもは、自分を取り巻く環境で生きるために必要なものを吸収します。今、特に何を発達させるべきかを、内側に潜む教師(内面教師 Inner teacher)が、 今やりたくて仕方がないという精神、湧き出てくる衝動を引き起こし、自分の身体の中に取り込もうとさせます。そして、すっかり取り込んだら、次は違う部分の発達へ興味を引き起こします。この湧き出てくる衝動が”敏感期”であり、*吸収精神(Absorbent Mind)の時期の敏感期は、一生に一度、乳幼児期にしかありません。この時期を逃すと、今後同じように身に着けることはできないのです。

<*吸収精神(Absorbent Mind)については次回ご説明致します。>

 

言語教育は、大きく6つの項目に分けられています。

まず、第1に、「聞く」から始まり、第2「話す」、第3「書く」、第4「読む」。

次からは、文法に入ります。

第5「品詞の役割」、第6は、「統辞法」で構文、作文を作るという言語の最終段階です。

第3の「書く」は、3歳頃から書きたい衝動が始まります。様々な指先を使ったお仕事で、書くことができる手をしっかりと形成します。こうして、書く為の準備が整ったら、書く活動が始まります。

書けるようになったら、言葉、文を読んで理解する活動を十分行い、より豊かな言語発達を遂げるために、正しい文法を身につけることが重要となります。書かれてある内容の意味を理解し、思想を解釈する論理的読み方をするには、静かに読まなければならないということも言語活動の中で経験していきます。

書かれた言葉は、遠くの様々な人への思想の伝達であり、全世界の人々を結びつける精神化した言葉で、まさしく、言語は、文明、文化ですね。

言語能力が身につくと、知性が豊かになり、困難な問題が生じても、自分の力で解決する術が身に付きます。例えば、本を読んで調べるなど、自発的に自分の力で解決する力が養われるので、困難に打ち勝つことができるのです。こうして、豊かな人格形成がされていきます。

自分の気持ちや考えを相手に伝える、自己主張する手段は、まずは言語ですね。言語をしっかりと習得することにより、学習能力を高め、鋭い洞察力を持ち、平和的な思考をする人となります。そして、文化の継承、新しい発見、研究成果などの伝達は、言語なくてはできないのです。

豊かな言語教育は、未来の社会に貢献し、平和な世界へ導き、地球の発展にも繋がっていくでしょう。

 

こちらは昨年の夏頃の子ども達の言語活動の様子です。

 

「五十音並べ」です。

書く為の間接的準備です。子どもにとっては文字を書いている感覚です。

 

 

「正しく話す」教具で、文を読む活動のひとつです。

名詞と動詞の正しい組み合わせを知ります。

 

 

こちらは、英語の教具です。

アルファベットで物の名前を書いています。Phonics(フォニックス)のルールで同じ発音の単語を集めています。

 

 

友達同士で話し合うことで、より理解も深まりますね。

 

身体の部位の名前を伏せんに書き、木製の人体人形に貼りました。

英語で書いています。

 

 

~ここからは、最近の言語活動の様子です。

アルファベットの板で自分の名前を書いています。

 

カードを見ながら、アルファベットの板で単語を書いています。

 

絵合わせカードです。

語彙を豊にする教具で、文化の最初の導入です。物の名前を知ります。

 

英語の活動です。物とその名称の頭文字を合わせています。

 

フォニックス(Phonics)のルールを視覚的に捉えながら、アルファベットの書き方、読み方を学んでいます。

 

本を静かに読んでいます。読書はとても大切ですね。

 

「移動五十音」です。

書く為の直接的準備になります。知っている言葉を分析し、文字によって言葉にするのを助けます。

 

「なぞり文字」です。

正しい筆順で、丁寧に文字を書く練習です。

 

 

黒板にチョークで名前を書いています。

これも「なぞり文字」と同じ目的で、正しく丁寧に文字を書く練習です。

 

五十音スタンプを使って、物の名前を書いています。

 

「物と名前」です。

ことばを読む活動です。物の正しい名前を読んで知ることがねらいです。

 

「鉄製はめ込み」です。

鉄製の幾何図形しっかり押さえ、鉛筆で輪郭をなぞります。書く為の直接的準備です。

間接的なねらいとして、紙を破かないように優しく押さえる適度な力の調整と輪郭線からはみ出ないことに要する注意力が必要なので、意思と運動の調整を身に着けます。また、芸術的感覚も洗練されます。

 

言語活動は、文化教育の分野と重なります。

活動のねらい、目的により、言語教育の教材は文化教育として提供できます。

こちらは、「生物のための絵合わせカード」で、”海の生物”です。言語活動でもあるし、文化教育にも繋がっています。

自然の中の動物の生態についての基礎的な理解を深めるとともに、自然への愛を育てます。

 

 

太陽系(Solar System)の天体の絵合わせカードです。

天体の名前を覚えながら、太陽系のしくみを学んでいます。

 

全てのモンテッソーリ教育の分野(日常、感覚、言語、数)には、文化教育が含まれております。

 

こちらは、歌の時間です。

歌詞の中の単語をイラストと合体させて、視覚的な方面から感覚的に歌詞を覚えていきます。

歌詞を覚えるのが早く、みんな歌が大好きです♡

また、歌を覚えるときは、身体を動かしながらの方が早く覚えることが出来ます。リズムにのって身体を動かすことで、感覚的にインプットされていくのです。

好きなように自由に動いて自然と音楽のリズムにのって歌うことがいいのです。

言語は、音楽もダンスもスポーツ(運動)も、そして科学も芸術も文学もすべて繋がっているんですね!!

言語は、文化・文明だからです。

 


下記のページもぜひご覧ください。

モンテッソーリ活動(お仕事)の紹介 

”The Montessori method - お仕事の紹介 Vol.1 ~日常生活 Practical Life~”

The Montessori method - お仕事の紹介 Vol.2 ~感覚教育 Sensorial Area~ 

 


ページトップへ