暦の上では春とはいえ、朝の空気はまだまだ冬。園庭に出ると吐く息が白くて、私たちも思わず肩をすくめます。
そんな2月といえば節分。「鬼が来たらどうする?」と子どもたちに聞いてみると、「豆を投げる!」「逃げる!」と頼もしい声が…と思いきや、ひときわ優しい声がひとつ。
「寒いし、かわいそうだから保育園に入れてあげようよ。」
鬼の立場まで守る、その包容力。こちらが救われます。
最近は“うっかり”も愛おしい成長の証。給食の時間、一口食べてからピタッと止まり、ハッとした顔で手を合わせて「いただきます!」
さっきの一口は…たぶん、試食だったことにしておきましょう。
お散歩では、横断歩道を渡るときに片手は保育者、もう片手はお友だち。安全は完璧。
なのに、どうしても“手をあげたい”気持ちが勝って、3人の手がふわっとアーチ状に持ち上がります。もはや「渡っています」ではなく「開通式」です。
鬼ごっこではさらにドラマが。
追い詰められた瞬間、急にこちらの味方になり、「こっちだよ!」と他の子を探しに行く寝返りの速さ。
勝負の世界で生きていく覚悟を感じます。じゃんけんも負けたのに、満面の笑みで「かったー!」その自信、分けてほしいくらいです。
思わず笑ってしまう場面の連続ですが、その一つひとつに「やってみたい」「伝えたい」「認めてほしい」という気持ちが確かに育っています。
できたり、できなかったり、揺れながら前へ進む今。私たちは、すぐに正解を渡すのではなく、“気づいてやり直す”“工夫する”“助けを求める”経験を大切にしています。
ご家庭でも、つい先回りしたくなる日があると思います。そんなときは結果より先に、「気づけたね」「やってみようとしたね」と過程を受け止める言葉を贈ってみてください。
その一言が、春へ向かう自信の芽になります。
フロンティキッズ曙橋本園
田畑 勇太