子どもたちとキャリア教育

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子どもたちとキャリア教育

 先日、区立駒沢中学校から2年生の生徒たちが職場体験に来てくれました。


 保育士の仕事を体験するということで、最初はちょっと緊張気味でしたが、子どもたちと過ごすうちにだんだん笑顔が増えて、最終日にはすっかり仲良くなり、やりがいを感じてくれたようです。(ちなみに、後日聞いた”一番大変だったこと“は、「子どもたちが逃げ回ること」でした 🙂 。


 後日、回覧板で回ってきた「駒沢中だより」での校長先生のお話では、「中学ではこういった行事を通して、生徒のキャリア発達を支援することを意識しています。キャリア発達とは「社会の中で自分の役割を果たしながら、自分らしい生き方を実現していく過程」(中教審答申)のことです。キャリアと聞くと、すぐに職業選択や社会的経験を連想してしまいますが、社会の中で活躍するために必要な力を身につける活動全体をキャリア教育だと捉えています」とおっしゃっていて、とても納得しました。
職業を知るだけではなく、“働くってどういうこと?”を感じることが大切なのだと、改めて思いました。

 

 保育園に通う子どもたちは、まだ仕事や職業について具体的に考える年齢ではありません。しかし、実はもう「働くこと」に触れ始めています。保護者の方が、毎朝「いってきます」と出かける姿や、お迎えにいらした時の「ただいま」の様子から、子どもたちは様々なことを感じ取っているのではないでしょうか。

 

 キャリア教育と聞くと将来の夢や職業選びの話を思い浮かべがちですが、もっと大切なのは、「働くってどういうこと?」という問いに気づくこと、誰かのために何かをすること、社会とつながること、自分の役割を果たすこと――そういった価値を、子どもたちは日々の生活の中で少しずつ学んでいきます。

 

 そのきっかけになるのが、まずは子どもにとって一番身近な「働く大人」である保護者の皆様だと思います。どんな仕事をしているのか、どんな気持ちで働いているのかを、ぜひご家庭で話してみてください。「今日はこんなお仕事をしたよ」と伝えるだけでも、子どもたちは「働くってなんだろう?」と興味を持ち始めます。うれしかったこと、ちょっと大変だったこと、誰かに「ありがとう」と言われてうれしかったこと――そんな話を聞くことで、子どもたちの心には「働くって面白い」「大切なことなんだ」という気持ちが芽生えていくのではない
でしょうか。

 

 園でも、子どもたちが「ごっこ遊び」で店員さんやお医者さん、おまわりさんなどになりきって遊ぶ姿をよく見かけます。これは、大人の姿をまねしながら、「働くこと」の意味を自分なりに考えている証です。だからこそ、保護者の皆さんとのつながりを大切にしながら、子どもたちが身近な「働く姿」に触れられる機会を、園としても一緒につくっていきたいと思っています。

 

 「働くってなに?」という問いは、答えがすぐに出るものでもないと思います。しかし、子どもたちがその問いを持ち続けられるような環境を、家庭と園とで一緒に育てていけたらと思います。

 

フロンティアキッズ上馬

施設長 伊藤 由子