身近な音から音楽は生まれる

News

お知らせ

身近な音から音楽は生まれる

 すっかり秋の空気に包まれ冷え込む日が多くなってきました。秋と言えば読書、芸術、スポーツ……と過ごしやすく様々なことに取り組めるそんな季節ですね。今回はその中でも芸術、「音」「音楽」について触れたいと思います。

 

 普段、お子さまとどんな音・音楽に触れているでしょうか。お子さま向けのコンサートに行ったりクラシック音楽に触れたりするご家庭もあるかと思います。またテレビや動画から流れてくる音楽に身体を揺らしたり手拍子をしながら一緒に歌ったりダンスをしたり……たくさんの音を楽しんでいるのではないでしょうか。

 

 必然的に「耳」が発達する2~5歳の臨界期(言語や発音で覚えていく力が備わる時期)と呼ばれる年齢でピアノやリトミックを始めるお子さまも多いと思います。保育の中でも時々取り入れているリトミックはピアノなどのリズムに合わせて体を動かしたり楽器を用いたりしながら感覚的に四分音符や八分音符・休符、4拍子や3拍子の違いを感じたりとねらいは様々です。また友だちと一緒に取り組む際は相手に合わせようとすることで社会性や協調性も育まれます。そしてフロンティアキッズで取り入れているモンテッソーリ教育の中にも「音」に関する教具があります。「音の筒(雑音筒)」「音感ベル」と呼ばれるものです。これらの教具は微妙な音の違いを聞き分けたり、高低のある音の違いを識別したりすることで集中力や傾聴する力を養うことをねらいとしていますが、「音感ベル」は特に音感の流れを感覚的に知ること、ピアノの鍵盤に触れることも目的としています。おしごとの中で好きな時にそれらの教具に取り組むことでお子さま達は自然と音や音楽に触れています。ただリトミックやおしごとは家庭の中で取り入れることの難しさ、ピアノも腕や手首、手の発達具合によっては幼児期に行う困難さもあります。

 

 少し専門的になりますが現代音楽(20世紀の音楽)の中には意図せず偶然生まれた音……例えば物が落ちる音、機械が立てる音、雨音や川の流れ、鳥のさえずりなどの「環境音」から音楽を作り上げていくものがあります。楽器が奏でる曲や歌だけが音楽ではなく、自然の音、話し声、自分の体から聞こえてくる音、身の回りの何気ない音、何かを叩く音。音を楽しむ機会は日常の中にあふれています。

 

 「音楽」と肩ひじを張らず、ぜひ様々な「音」を楽しんでもらいたいと思います。音を楽しむことが音楽であり、お子さまの様々な音に対する敏感期をご家族で一緒に楽しんでください。

 

 一人でも多くのお子さまが将来音楽に興味を持ってもらえるように、音って音楽って楽しいんだと純粋に感じられるようになってほしいなと切に願います。

フロンティアキッズ曙橋分園
主任  井上 千秋