自立と自由

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自立と自由

 今回はモンテッソーリ教育における「自立」というコンセプトに対する捉え方について振り返ってみたいと思います。


 「自立していなければ自由ではありません。自立を達成するためには、子どもたちは幼児期の初めから、個人の自由を能動的に表現するように導かれなければなりません。」

 

 マリア・モンテッソーリのこの言葉は、彼女の教育思想の中心を示しています。
一般的に、自立とは、他者に依存せず自分のことを自分で行い、必要な判断や行動ができるようになることを意味します。3歳から6歳の子どもにおいては、まず身の回りのことを自分でできる「機能的自立」が目標となります。それと同時に自分は生活に必要な動作を自分ですることができるという実感や、新しいことを学んで身につけることができるのだいう経験を積み重ねることも、自分に対する信頼、つまり「自信」を持つことにつながるでしょう。また、自分が愛されているという安心感の中で、精神的にも安定し、他者の助けを過度に求めずに生活できる「精神的自立」へも繋がっていきます。この安心感はその後の人生全体にも深く影響する基盤となるでしょう。
 マリア・モンテッソーリは幼児教育において、自立と自由を切り離せないものとして考えました。20世紀初頭のイタリアにおけるファシズムの時代、彼女は「自由な人間」を育てる教育の大切さを訴えました。社会のあり方が変化する現代においても、能動的で自立した人間性は変わらず求められています。

 「自由は与えられるものではなく、能力によって獲得していくものである」

 

 この言葉はモンテッソーリ教育において、子どもの発達を理解する上でとても重要な考え方です。幼い子ども達には、漠然とした自由を使いこなすための力はまだ備わっていません。モンテッソーリ環境では、最初は何をどのように使って過ごすべきかが分からないところから、活動のやり方を一つ一つ学び、自分でできることを少しずつ増やしていきます。次第に子ども達は、多くの活動のやり方とそれぞれの楽しみを知り、自分の行動を選び取る自由を手にし、同時に自立していく経験を積んでいくことができます。
 モンテッソーリ教育の最終的な目的は、このように子どもの中にある自立の芽を育て、自由で主体的に生きる人格を形成することにあるのです。

 

Frontierkids Global School

施設長 眞島拓也