昨年度より社内でこどもと学び大研究所岩田大先生による研修を受けておりますが、その中で、小中学生の不登校の原因の1位は何だと思いますか?という質問がありました。私はてっきりいじめや友人関係かと思いましたが、実は1位は「無気力、不安」とのことで、不登校の原因のおよそ半数を占めているそうです。
では、無気力、不安にならないためにはどうしたらよいか、それは子どもがわくわくドキドキするような「心を動かす」体験をたくさんすることです。
21世紀出生児縦断調査の分析によると、小学生の頃に体験活動(自然体験、社会体験、文化的体験)や読書、お手伝いを多くしていた子どもはその後高校生の時に自尊感情(自分に対して肯定的、自分に満足している、など)や外向性(自分のことを活発だと思う)、精神的な回復力(新しいことに興味を持つ、自分の感情を調整する、将来に対して前向き、など)といった項目の得点が高くなる傾向が見られたそうです。また、小学生の頃に異年齢(年上・年下)の人とよく遊んだり、自然の場所や空き地、路地などでよく遊んだりした経験のある高校生も同様の傾向が見られたとのことです。このことから、小学生の頃に行った体験活動は長期間経過してもその後の成長に良い影響を与えていることがわかったそうです。
現代の子どもの環境からなくなった「さんま」として、時間、空間、仲間があると言われています。子どもが遊びこむ時間、子どもとじっくり話をする時間、のびのびと遊べる空間、一緒に遊ぶ仲間。失われつつあるこれらのものを、少しでも確保し、子どもたちがいきいきと過ごせる環境作りを今後もしていきたいと思います。
学童統括マネージャー
片柳 泉