レオナルドのように学ぶ ~ モンテッソーリ教育が育む創造の芽

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レオナルドのように学ぶ ~ モンテッソーリ教育が育む創造の芽

 フロンティアキッズ曙橋本園の玄関には、レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた「モナリザ」が飾られています。登園してきた子ども達は、その絵のやさしいまなざしに、ふと足を止めることがあります。じっと見つめる目には、何かを感じ取る力が宿っているようです。


 レオナルド・ダ・ヴィンチは空を飛ぶことを夢見て、自分の手で飛行機械の絵を描いた人です。葉の形や水の流れ、光の動きに目を凝らして、絵と科学を行き来しながら、自分の世界をどんどん広げていきました。その姿はまるで、好奇心いっぱいの子ども達のようです。今、そんなレオナルドのように、心の中に沸いた「なんだろう?」「やってみたい」を大切にしながら学ぶ子ども達が、モンテッソーリ教育の中で育っています。

 

 レオナルド・ダ・ヴィンチというと、「絵の天才」というイメージがあるかもしれません。でも実は、発明したり、体の仕組みを調べたり、建物や地面のことにも詳しかったりと、様々なことに夢中になった人でした。

 彼のノートには、空を飛ぶための仕組み、体の中の絵、水や光の動きなど、たくさんのスケッチが残されています。芸術と科学、見て感じることと考えて作ること。それらを分けずに、繋げながら楽しんでいたのがレオナルドでした。
 

 誰かに「やりなさい」と言われたからではなく「知りたい」「やってみたい」という気持ちから始まった学び。その自由でのびのびとした学び方こそが、子ども達の未来にとって大切な種になるのかもしれません。

 モンテッソーリ教育の環境には、そんなレオナルドの学び方に通じるものがあります。

 子ども達は、自分で選んだ教具を使って、繰り返し手を動かしながら試していきます。重さを比べたり、形を組み立てたり、数の仕組みに気づいたり、頭だけでなく、手や目など体を使って、学びがじんわりとしみこんでいきます。


 モンテッソーリのカリキュラムは、教科の枠をこえて、子どもの興味に沿って広がっていくように作られています。レオナルドが絵を描きながら体のことを知り、自然の一つに目を向けていったように、子ども達も自分の「好き」や「気になる」から学びを深めていくのです。


 例えば、まだ、文字が読めない子が、昆虫の図鑑をじっと見ている。そこから、「この虫、外にもいるかな?」と園庭で虫を探し始める。その行動こそ、レオナルドのような探究の始まりです。

 「やってごらん」と言われたからではなく、「やってみたい」から始まった行動。そんな自由な気持ちが安心して広がっていけるような環境があれば、子どもは自然と夢中で学び始めます。世界を自分の目で見て、自分の手で確かめて、自分だけの「学びの地図」を描いていく。

 モンテッソーリ教育は、そんな子ども達の歩みを、そっとやさしく支えているのです。

 

モンテッソーリスーパーバイザー
柚木 亜希子