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「子どもの人権と人格を尊重する保育」

2023年2月


「保育所での保育士等による子どもへの関わりについて、保育所保育指針に示す子どもの人権・人格の尊重の観点に照らし、改善を要すると判断される行為」は、不適切な保育です。昨今、多くの不適切な保育の事例が報告されていることを踏まえて、先日、全職員を対象に虐待防止研修を受けました。また、職員同士で今までの保育を振り返る時間を設けました。

 子どもは、経験がない為、善悪の判断ができません。その為、周りの大人を見て真似をします。例えば、保育園(家庭)では【強い立場の人から弱い立場の人】への関わり方を子ども自身が獲得して、将来、子どもが大人になった時の模範になっていることを覚えておく必要があります。
 様々な経験があり、善悪の判断ができる大人でも「イライラしない練習」が必要です。勿論、大人自身も出来ればイライラしたくないです。しかし、心身共に不良の時、時間に余裕がない時、計画通りに進まない時等、感情のコントロールができにくい状態になります。【自分自身がこういう状況の時に感情的になりやすい】ことを知る必要があります。その時に自制できるか否かが重要になります。

 一般的に【子どもの現状、やりたくないこと】と【大人の子どもへの要求、この位はできると思っていたこと】の差が大きい時に子どもも大人もイライラします。
 まず、私達大人は、子どもをよく観察して見守る必要があります。子どもの体や言語等の成長発達・遊びの発達段階・人間関係の発達段階を充分に理解すると共に人的環境と物的環境を整える必要があります。発達に合った環境とは「子どもが自発的に遊べる、活動できる」環境です。また、大人にとっては「イライラしない、注意が減る、危険の無いように見守る、必要なことを見極め援助する」環境です。

 私達は、思考を伝えたり、コミュニケーションに言語を使用します。大人が子どもに対して言ってしまいやすい言葉掛けを変換して言う習慣を身に付けたいです。その時の大人の声のトーンや表情も注意したいです。下記に好ましくない例(黒字)と好ましい例(赤字)をあげてみました。

 ✖️曖昧な説明をする。「よく見てよ」「ちゃんとやって」「もっと考えてやって」
   ⭕️代わりの行動を教える。「〜してね」
 ✖️長い説明をする。「理由や状況の説明に力を入れる」「子どもの集中力が切れる」
   ⭕️褒める。「問題行動の反対の行動(普通のこと)を褒める」「できたね」と言う
 ✖️否定形(禁止)「〜しないで」「〜したらダメ」
   ⭕️子どもと一緒にやってみる。「一緒に〜やってみよう」「〜してね」
 ✖️嫌味を言う。「いつもこうだといいのにね」「それでいいと思っているの」
   ⭕️子どもを信じて待つ。大人はブレない。気持ちの切り替えができる時間をあげる。
 ✖️脅す。「置いて帰るよ」「もう〜させないよ」「〜に叱ってもらうよ」
   ⭕️気持ちに理解を示す共感する。「〜だよね」「分かるよ」共感できない時は復唱する。
 ✖️罰を与える。子どもにとって嫌なことをする。
   ⭕️落ち着く。深呼吸をする。子どもから離れて違うことを考えてから戻る。
 ✖️怒鳴る。感情的になって、心臓がドキドキする。後で後悔する。
   ⭕️聞く。考えさせる。「何があったの?」「次は、どうすればいいかな?」
 ✖️質問風の攻撃をする。「何で〜するの?」「何回目?」「悪いことって分からないの?」
   ⭕️環境をつくる。距離・目線・刺激から話を聞き、言いやすい雰囲気をつくる。

 私達職員は、保護者の皆さんと一緒に子どもが幸せな大人になる為の援助をしていきたいと思っています。様々な取り組みの中で学んでいる最中です。日頃の保育の中で小さなことでも気になることがありましたらいつでもお気軽にお話ししてください。 一人ひとりの子どもにより良い関わりをしたいと思っています。
                 
                 フロンティアキッズ上町 主任 本嶋安枝

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