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「心豊かに暮らしていくために!」

2023年11月

 2023年6月11日、『一つの地球で心豊かに暮らすということ!』をテーマに、※石田秀輝先生 による貴重な講演会を受講しました。この講義では、地球の抱える環境問題をテーマの中心に据え置きながら、それらを如何にクリアさせ、地球と人類がどちらも豊かに暮らしていくためにはどうしていくべきなのかというヒントを複数提示して頂きました。

 

 石田先生は、鹿児島県沖永良部島にお住まいなのですが、もともと大手の住宅設備機器・建材ブランドの取締役や最高技術責任者を担ってきており、今ある地球環境問題に対しては、そういった住宅設備機器をデザインしたり開発したりしていくことでアプローチされています。

 みなさんは「地球環境問題とは何か?」と問われ、どう答えるでしょうか。私は地球温暖化を想像しましたが、石田先生曰く、地球環境問題にとって「気候変動」は一部でしかなく、「マイクロプラスチックの海洋流出」、「資源やエネルギー、淡水の枯渇」、「窒素とリンの増加」、「化学物質による汚染」、「生物多様性の損失」等の多くの問題を抱えており、結局のところ「人間活動の肥大化」が根本的な原因なのだと断言しています。

 

 人間活動がどれだけ肥大化しているかというと、恐竜がいた時代;2億年ほど前は、1000年に1種類の生物が絶滅していたと考えられているのですが、200~300年前では4年で1種、100年前には1年で1種のペースになり、1975年には1年で1000種、今では1年に4万種類が絶滅していると言われているそうです。人間が日々の快適さを望む一方で、多くの地球環境問題を生み出し、そして自分の首を絞めているという現実をこれらの数字が如実に表していると思います。石田先生によれば、地球自体は大丈夫で、ただただ人間を含めた生物の存続が危ぶまれている状態だと言います。私達はどのように今を生きていくべきなのでしょうか。

 

 石田先生はバックキャスティングという思考法を用いて問題解決に当たります。バックキャスティングとは、将来の理想像から逆算して実現手段を考えていく思考法のことです。私たちの理想は、地球と人間の成長が両立していける心豊かな暮らしです。理想を実現させるためのアイディアを考えてみましょう。石田先生によると、人間にはちょっとした不自由さや不便さが必要であり、そのちょっとした不自由さと不便さを「個」や「コミュニティーの知識・知恵・技」で埋めると達成感や充実感、愛着が形成され、幸せに感じられるのだそうです。たとえば、車から自転車に変えてみたり、家庭菜園やDIYをしたり、週末はアウトドアに出かけて電気が不要のアクティビティをしてみたり…楽しそうですね。自分ができそうな「ちょっとした不自由さや不便さ」を考えてぜひ実践してみましょう!

 

 経済産業省は2030年までに再生可能エネルギーの比率を36%~38%にしていく施策が推進されていますが、ちょっとした不自由さと不便さの繰り返しにより36%で暮らせる社会を描き、36%で暮らせる社会に求められるビジネスや政策が何かを明らかにし、現在から36%社会に向かうため、どのように進んだらいいのかのロードマップを描き上げていくことが、これからの課題です。他人事にはせず、自分事として捉えて、できることを一つずつ着実に実践していくことが、今できる私たちの地球への誠意です。一緒に楽しく乗り越えていきましょう!

 

Frontierkids Ichigaya 主任 浅野公介

※石田秀輝…(一社)サステナブル経営推進機構 理事長 / 地球村研究室 代表 / 酔庵塾塾長 / 東北大学名誉教授 / 元(株)INAX(現LIXIL)取締役CTO(最高技術責任者)

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