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「クリスマスだから かんがえる」

2021年12月

 「クリスマスだから かんがえる  たくさん たくさん たくさん かなしんでいる ひとのこと  それから すこうし かんがえる  どうして どうして どうして かなしいことが あるのかな  クリスマスだから かんがえる  かなしんでいる ひとのこと 」

 童謡「サッちゃん」などで知られる 阪田寛夫さんの詩です。この詩は、昨年のニュースレターでもご紹介しましたので、昨年からいらっしゃる方には、リマインドのようになってしまい申し訳ございません。しかし、この時期だからこそ考えたい問題なのかなと思います。
 多くの人にとって、クリスマスはパーティをしたり、プレゼントをあげたりもらったり…とても楽しいイベントだと思います。しかし豊かな暮らしの裏側では、辛い境遇で生きている多くの人々や生物がいることを意識するべき時でもあると感じます。

 昨年、THE WATER PRINCESS(みずをくむプリンセス)という絵本をご紹介致しました。西アフリカ、ブルキナファソ出身のスーパーモデル ジョージィ・バディエルさんの子どもの頃の実話に基づいたお話しです。彼女は、毎日水を汲みに行くために、まる1日が終わるのです。学校にも行けず、友達とも遊べず…今でも世界中で多くの人が、水のない場所で暮らしています。
 WATER PRINCESS は、綺麗な水が世界中の人に届くことを願って描かれた絵本です。園には、日本語訳と英語版の両方あります。職員も子ども達も皆で生活の中の貴重な資源を大切にする心を養い、普通に生活できることがどんなに幸せなことかを意識しながら行動するように心がけております。

 今年は、国連気候変動枠組条約締約国会議「COP26(Conference of Parties)」がスコットランドのグラスコーで開催され、地球温暖化対策は、気温上昇1.5度以下に抑える努力をするということで閉会しました。世界の温暖化危機に声を上げ始めたのは、世界中の若者達です。「地球を救おう」と本気で考え、主張し、自主的にエネルギッシュに行動するということは素晴らしことだと感じます。

Txai Surui

 今回注目されたのは、アマゾン原住民を代表して演説したチャイ・スルイさん(Txai Surui 24歳)です。彼女は、勉強中だという英語で、自分たち先住民は6000年前からアマゾンの熱帯雨林で暮らして来たこと、加速する森林破壊によってアマゾンの先住民は危機的状況の最前線に立たされていること、これはアマゾンだけの問題ではなく地球全体の問題だということなどを力説しました。しかし、これにより、SNSで多くの誹謗中傷、殺害予告で攻撃を受けました。ところが彼女はこれを逆手に取り、「自分は正しいことを言っていると実感した。自分の言っていることが正しいから攻撃してくるのだ。」と前向きに捉えました。信念を貫き通す強い精神力を養うことは、とても大切だと感じました。
 豊かな生活の裏側では、生活に苦しんでいる人々や自然破壊で住処を奪われている様々な生物がいるということを意識し、何が出来るかを考えることにより、ひとりの小さなアクションだけれども、皆それぞれが一歩踏み出すことで、それが大きな塊となり、地球の将来、子ども達の未来に貢献することに繋がるのではないかと感じます。

 クリスマスだからこそ、子ども達と一緒に考えてみたい問題ではないかと思いました。(BBC News Japanの記事【COP26】 先住民族の環境活動家、演説後に「多くの殺害予告」こちらです。)

FrontierKids Global School 施設長 竹下克子

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